調べたらちょっと面白かったって話…
『水金地火木土天海冥』。太陽に近い順に言った太陽系の惑星の名ですが、よく考えてみると、地球を除いて前半の『水星、金星、火星、木星、土星』、にくらべ、それ以降『天王星、海王星、冥王星』と、急に名前に“王”が付いて物々しくなります。なんででしょう?
ヒントのカギは英語での呼び名でした。
古代中国では、紀元前から天文学や占星術が発達していました。当時、学者さんは星空を観測する中、無数の星が同じ位置関係のまま北極星を中心として反時計回りに動く中、たった5つだけ、他と全く動きが違う星がある事に気付きます。その星々に神秘的な力を感じ、当時の思想『五行思想』、すなわちこの世にある全ての物は、火、水、木、金、土、この五つの元素の組み合わせでできており、この五つはそれぞれ誕生と破壊の両方向に循環する。と言う思想に準えて、水星、金星、火星、木星、金星、土星と命名し、のちに日本にも伝えられたそう。
一方、西洋でも同じ様に天文学が発達しており、5つの惑星にもちゃんと名前が付いていました。水星=マーキュリー、金星=ビーナス、火星=マーズ、木星=ジュビター、土星=サターン。それらはそれぞれ古代ローマの神々の名前ですね。
時は流れ、天王星が発見されたのは1781年。発見したのはイギリスのウィリアム・ハーシェルという人。2000年以上も音沙汰がなかった新たな惑星の発見に、世界中が驚きます。そして、それまで同様、古代ローマの神の名から『ウラノス』と名付けられました。これが中国では『ウラノス(天空の神)』を“天王の星”、と訳し『天王星』になります。その後1846年に発見された星『ネプチューン(ギリシャ神話のポセイドン)』もその流れで“海神の星”『海王星』と訳したのです。
また、天王星と海王星の動きから、二つの星の軌道に影響を与える“未知の惑星が必ずあの辺りにある!”として探索が続けられ、ついに1930年に冥王星が発見されました。計算上、あることは解っているのに、なかなか撮影や確認できなかったことで、同じく神話から、目には見えない冥府の神である『プルート』の名が付けられ、それが冥王星と訳されたとのこと。
なるほどですね〜。。。
ちなみに、常に規則的に移動する星々を『いつも変わらない』という意味で、『恒例行事』の『恒』を用いて『恒星』。『惑星』は中国から『行星』と伝わりますが、日本ではどちらも「こうせい」と発音するので、江戸時代に伝わった、西洋の『プラネット=さまよう者』を『道に迷う』という意味の『惑う』から『惑星』と翻訳した言葉が一般的になったそう。
星の呼び方や名前の由来から、昔の人々が毎晩夜空を見上げ、偉大なる者からのメッセージを聞こうと懸命に耳を傾けていた様子が思い浮かびます。
晴れた日の夜は光が少ない山や海まで車を走らせ、古代人が見てたまま、今も変わらない形で回り続ける星空を見上げるのも、きっと素敵ですよ。