空気が綺麗な福岡県糸島市、井原山の麓にある保育園。この保育園では子どもたちの主体性や、子どもたち同士の関わり方に重きを置いた保育をされています。ここでの取材の時、園長先生から聞いたお話。
二人の男の子が保育園でかけっこをしてる時、一人がコースにあった凹みを避けた所、ちょうど後ろから来た子とぶつかり、反動で二人とも倒れてしまったそう。
事故なのでどちらが悪いも良いも無いのですが、二人は言い争いを始めてしまいます。
どちらも“お前がぶつかってきた”と主張する中、何度か言い合いをしてたところに片方の男の子が、突然大きな声で「ゴメン!!!」と言います。
でも、言い合いは治らず「オレがゴメンって言ったからキミもゴメンって言って!」と言うも、もう一人は「オレはぜったいあやまらない!」と、結局まだお互いの主張が続いたそう。
少し時間が経ち、自然と二人は仲直り。遠巻きに眺めていた園長先生が“ゴメン”と言った子に尋ねます。
「ケンカの途中、なんで急にゴメンって言ったの?」
すると男の子はこう答えたそう。
「“ゴメン”っていうのは、“ケンカはこれで終わり”ってこと、だから。」
この子は、友達と言い合ってる途中、「ケンカはもう終わりにしよう!」という意味の言葉を、突然大きな声で言った事になります。
言い合いをしている時は、お互いに“自分が正しい”と信じて疑いませんが、そんな中、相手より先に「ここで言い争いをやめよう」って思える事、相手より先に「ゴメン」が言える勇気は、とても美しいですね。
