「免許ば返納したけん歩いてきたっつぉ!」
いつも急に現れる荒くれ者の叔父さんがいる。
死んだ親父を慕ってくれてた父の従兄弟。
お父さんの代わりに俺を可愛がってるつもりらしい。
顔も少し似てるから、親父も死んでなかったら
こんな感じの顔になってたのかな〜なんて思う、
親父をリアルに感じれる唯一の存在。
俺が生まれるもっと前、両親が新婚時代からだから・・・
ウチに60年くらい通い続けてるのか。笑
今日も現れ、楽しそうに酒を飲みながら大声でマシンガントーク。
「ほ〜んと、お前の息子は
お前の変〜な顔に似らんで
カーチャンに似て良かったのお〜。」
と、嫁さんを褒める。
「魚も捌ききらんでどげんすっか!
バカやな〜。」
と言って教えてくれる。
「よ〜し、お前の車ば売って
今度みんなでラスベガス行くぞ!」
と言って、旅行を催促する。
「今日はな、昨日一人で死にかけたけん
最後にお前の顔、見に来たんぞ。」
うるせー!
寂しいこと言うなよ!まだまだ飲むぜ!
もし本当にお別れの時が来たら、お父さん
叔父ちゃんの事、よろしく頼んどくね。