とうとう娘が成人の日を迎えます。
この子が20年前、僕らの子として産まれてきてくれたこと、
そして無事に育ってくれたことは本当に奇跡で、
神様からの贅沢なプレゼントだと思ってます。
産まれたての我が子は、まるで神棚に上げるお餅のようでとてもありがたく感じましたが、
その分、その日から僕ら夫婦の生活は全身全霊でこの子の体調を気遣う毎日に一変。
大きな泣き声は、当時の僕らを心底不安にさせました。
しかしそんな中、生後7ヶ月目で初めて聞いた、跳ねる音符のようなこの子の笑い声は、
どこまで続くか分からない、真っ暗な育児のトンネルの中で見えた、まるで光輝く暖かな出口のようでした。
僕ら夫婦はそれはそれは嬉しくて、一緒になって笑いながら涙が溢れました。
初めて家族で笑った瞬間だったのです。
この子の小さなお腹に耳を当てて聞いていた、細く小さな声と心臓の鼓動。
僕のお腹の上で眠った時の重さと熱い体温。
声や言葉も、聴かせてくれた歌声も、描いてくれた絵も、涙も、踊りも、
そしてこれから訪れるこの子の未来も全て僕の大切な宝物です。
2歳になった頃、仕事部屋まで響いてきたこの子の優しい歌声は、
しっかりと僕の耳と脳裏に録音されました。
映画アンパンマンの挿入歌で、ロールパンナちゃんの本当に短い曲なんだけど、
辛い時はそれが耳の中で再生され、
今でも僕を癒し、守ってくれてるので今日もこうして頑張れています。
♪ 君は小さな歯車で、
僕も小さな歯車さ
一つ一つは役立たず
それでも二つ合わせれば
不思議な力が生まれるのだ ♪
これからも頑張れよ。
君のおかげで初めて父親になれたことを誇りに思っています。
成人おめでとう。
おめでとうございます。