メレディスちゃんという女の子の話を聞いた事がありますか?
このメレディスちゃん、幼い彼女が飼っていたアビーという名の犬が死んでしまった時、お母さんに頼んで神様に手紙を書いたお話です。メレディスちゃんは手紙に、アビーが死んでどんなに悲しいかと、アビーはボール遊びが大好きだと言う事をお母さんに書いてもらい、神様がアビーを解るよう写真を同封してお母さんと一緒にポストに投函したのです。それからどのくらいか経った時、家に金色の包みに入った荷物が届きます。そしてその荷物には手紙が添えられていました。「アビーは天国に着きました。写真のお陰でアビーの事がすぐに分かりましたよ。コチラの世界には身体もポケットも無いので写真はお返しします。手紙を書くのを手伝ってくれたお母さんに感謝を伝えて下さい。〜神より〜」と書かれ、包みには『ペットが死んだ時』というタイトルの本が入っていました。この郵便局の素敵な計らいが全米で話題となった話です。
もう一つ、
ある少年が重大な目の病気になり、少年の憧れであるメジャーリーガーがお見舞いに行ったお話です。メディアの報道陣も駆けつけるフィーバーぶりで、病室でメジャーリーガーは少年と約束をします。「私は次の試合で必ずホームランを打つ。そしたら君は、君が怖がっている眼の手術を受けるんだよ」と。
試合当日、全米が固唾を飲んで見守るなか、眼の見えない少年もテレビの前で息を呑みます。一球目、二球目とストライクが続きます。三球目、ピッチャーが投げたボールは、あろう事かそのままキャッチャーミットに。メジャーリーガーは約束を果たせませんでした。静まり返る観客席。次の瞬間アナウンサーは大きな声で言いました。「打ちました!打ちました!月にも届きそうな大きなホームランです!」そして少年は眼の手術を受け、無事に視力を戻しました。
どちらも、とっても素敵なお話しです。しかし、どちらも大人が子供に嘘をついたお話です。
大人は子供に、嘘は悪い事として教えますが、大人は子供の前で時として嘘をつきます。嘘は大人の特権ではないので、私は自分の子供に「自分の利益になる嘘はダメ。でも人の為につく嘘はしょうがない時もある。」と教えます。
嘘をつくと心にシコリが残ったり、自分だけの秘密を抱えて生きていく事になるけど、その心の負担がその人の為になるんだったら、また、相手がそれに値する大切な人ならその負担を背負ってあげるべきだよ。と。
そう言うと、子供は微妙な顔でなんとなく聞き入れてくれます。
この子が小さかった頃、サンタクロースはいないよ!と教えましたが、それを言ってからずっと残る、この心のシコリは何だろう。
友達に「サンタクロースなんて本当はいないよね」と言われると
私は「うちには来ないけど、絶対いるよ!」と言っておりました。
ダイの大人が揃いも揃って実在しないキャラクターのことを話題にするわけがない、サンタはどこかにいるに違いない、と
可愛げの無い理由で小学校高学年まで、サンタさんがいると信じていたのです。
大人は嘘をつかないはずだ、というケナゲな理由でもあります。
サンタクロースがいるかいないか、娘に伝えたことがありません。でも、いつの間にか自分で何かしらの答えを見つけています。それもまた成長と、楽しんでいます。